ボルドー液について

・語源は、19世紀にフランスのボルドーで盗難対策に硫酸銅を撒いていたら、そこだけべと病が発生しなかったことが始まり。

 

・銅の効果で枝がしっかりするのでブドウにとってボルドーは⭕️

→土壌に銅イオンが過剰蓄積してしまう弊害を不安視する声もあり。

 

・ボルドー液は何回でも撒ける。菌に耐性が出にくい。

 

⚠️花が満開の時にアルカリ製のボルドー液を散布すると、花ぶるいの原因になる。開花前に早めに散布するべき。

 

⭐︎ボルドー液のメカニズム

→Cuが「菌の中の酵素のSH」に作用して機能不全にする。

→葉っぱの中に入り込んだ菌には物理的に届かないが、表面の菌に対しては効果あり。

→早めの時期からのこまめな散布を。

 

「自作ボルドー液」と「ICボルドー66D」の比較

・「6−6式の自作ボルドー液」と「ICボルドー66Dの25倍希釈」が同じぐらいの成分量。

・「6−6式の自作ボルドー液」

→水100Lあたり、硫酸銅600g、生石灰600g。

 

・「4−4式の自作ボルドー液」と「ICボルドー66Dの40倍希釈」が同じくらいの成分量。(現さん推奨)

 

⚠️ICボルドーはよく揉んでから使うこと。

 

*展着力や乳化を良くするために、アビオンEを入れると⭕️

→「水の量」や「労力」にも限りがある。1回の散布効果をなるべく長持ちさせるためにも、展着剤は必要に感じます。

→「月に2回」。多くても、要注意時期に「月に4回」までの散布でなんとかやりくりさせる方がいいと思います。

 

⭐︎巨峰は薬害が出やすいので、「4-8式」で。

→66DのDはデラウェアの「D」

→もし薬害が出るなら、石灰を増やしてみるのはアリ。

→ブドウの状態を見ながら柔軟に変更していけるように色んな組み合わせの例がある。

→「4-12式」は桃・柿用。

 

⭐︎100Lあたりで比較すると、自作ボルドー液は半分ぐらいのコスト感。

*現さんは4−4式を利用。

ICボルドー66D 5kg

1460円(税込)

硫酸銅 5kg

3980円(税込)

ボルトップ(生石灰) 20kg

2690円(税込)

アビオンE  

 

・成分の大きさについて。

→自作ボルドー液は4.7μm。ICボルドー66Dは3.58μm。(井上石灰調べ)

 

・生石灰の効果

→コロイド状にする、安定させる、硫酸銅の薬害を軽減。

→ブドウ樹への石灰分の補給の意味もあり。歯の表面のギザギザや気孔などから吸収される。カルシウムは細胞壁をグッと固めてくれる。

 

・生石灰は封を開けて時間が経っている場合、すでに空気中の水分と反応しており、水を加えても高温にならないケースもある。

 

・常温で温度を合わせて混ぜるのが⭕️。冷時攪拌。

 

・ボルドー液のpHに与える影響について(4-4式ボルドー液100Lで石灰400g)

⇒「10aあたりボルドー液200L散布目安」⇒「10aあたり石灰800g」×「年間12~15回散布」

⇒「10aあたり年間石灰散布量:9.6kg~12kg/10a」(pHを1上げるのに必要な石灰は200㎏)

*粘土質土壌は緩衝能が高いのでpH上がりにくい。

 

・カンキツ

3~4月、発芽前、40倍、かいよう病対策、

梅雨前、80倍、気温が高くなってくると石灰で葉が焼けやすい。

発芽してすぐはNG、アビオンEを入れることで薬害の軽減。

梅雨明け後は使用NG。銅が果実に薬害。

 

・キウイ

剪定、収穫後、芽が出るまでに40倍、かいよう病対策、ゴールド系は特にかいよう病に弱い。

銅に弱いので発芽後はNG

 

・柿、栗は使用NG。葉っぱに銅の薬害。

 

・いちじく

株枯れ病対策。葉っぱにはNG。